看護学生も一般企業に就職できる?一般企業の採用担当者が語る、看護学生の就活
- ななぱす 学生団体
- 2022年2月28日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年3月15日

新年明けて1週間。2022年1月8日、株式会社ウィルで採用を担当している平田敏樹さんを登壇者に迎え、看護学生の一般企業就職に関するイベントを開催しました。参加した看護学生は40人以上、約95%の参加者から「満足した」という回答をいただき、感想では「やりたいことを探すよりも自分の性質を探すというところが新たな学びでした」「自分の強みを意識することの重要性が分かりました」などの声が聞かれました。
一般企業就職の道は一度は考えたことはあっても、看護師や保健師など他の選択肢と隣に並べて考えてみると、実現できるキャリアではないと思っている看護学生も多いと思います。
そのような看護学生に向けて、
「看護学生は一般企業就職できるのか」
「あなた自身の強みは何なのか」
看護学生の就活だけじゃない、これから社会人になる学生にもぜひ聞いてほしい、採用担当の本音を語っていただきました。
今回は、イベントより一部抜粋してレポートをお届けします。
文章:神谷春菜
看護学生は一般企業に就職できるの?看護学生と近い立場の学生とは?
看護学生の中には、看護学生という肩書きが常についていると感じる人も多いかもしれません。「看護学生が企業に就職できるか」という問いに対して、企業で実際に採用をされている平田さんは次のようにお話しされています。
「看護学生は『これだけの知識をつけたのに看護師にならないのはもったいない』とか、『世間から看護師になるものと思われている』と思いがちだけど、他の分野の学生に目を向けてみると、必ずしも学部と仕事内容は直結しない。看護学生であるだけで持っている強みがあり、まだ他の企業ではアプローチしてないブルーオーシャンとしても評価できる。諦めずやってみて欲しい。」
確かに、改めて考えてみると、看護学生だって看護学を専攻しているだけで、それ以前に、いち学生です。勉強や実習の占める割合が他の学生とは異なっていることが多いため、看護学生という枠で捉えがちですが、企業にとっては面接に来た学生の1人として、他の学生と変わりないのかもしれません。この考え方をしてみると、私たちも、「一般企業就職」という選択肢を他の学生と同様に持つことができるのだと感じて、企業就職へのハードルが下がってきませんか。
しかし、他の文系・理系学生と全く同じ立場かと言われたら、それは違うそうです。平田さんによれば、「看護師になる・保健師になる」といったような多くの人が選択するキャリアではなく、一般企業就職というのは世間一般的にはまだ珍しいため、他の学生とは前提が異なり、面接の担当者も気になる点だといいます。ですが、そこにひけ目を感じる必要はなく、正直に回答すること、そしてそれ以上に自分がその企業で働く理由をしっかりと伝えることができればそのような差も問題ないと仰っていました。
また、「看護学生と近い立場の学生は?」と問われれば、教育学部が当てはまるそうです。教育学部の人も看護学生同様、教育免許を取り教員になる人が多く、一般企業を志す人は少数です。そのため、一般企業への就職においては、教育学部の学生と看護学生は、近い立場にあるそうです。このように聞くと、企業就職にちょっと親近感が湧きませんか。看護学生と似たような立場の人もいるのです。

看護学生が就活で考えるべき4つのこと。
看護学生は、他の文系や理系の学生に比べて、就活する時間が限られています。そのため、就活を行うには、最短コースで準備を進めることが大切です。平田さんによれば、看護学生が就活で伝えるべきことは以下の4項目だそうです。
①なぜ看護の仕事ではないの?
②なぜ看護の仕事を志したの?
③自分はどんな人間なのか?
④これからどんな生き方をしたいのか?
これら4項目を面接で話すためには、「自分の性質を知ること」=自己分析が不可欠となります。そこで、私も一般企業就職を検討している1人であるため、自己分析を始めてみました。しかし、初めの「なぜ看護師ではないのか」の段階で、進行が止まってしまいました。看護師ではなく一般企業を選ぶ理由を考えると、どうしてもネガティブな理由になり、その理由を話すことに後ろめたさを感じて迷走してしまったのです。この悩みは、一般企業就職を考える看護学生なら、多くの人が悩み、時間を費やしてしまうものではないでしょうか。ところが、1人でぐるぐると結論の出ない思考を循環させている間にも、就活へのタイムリミットは着々と迫り、そのうちに時間切れになってしまうかもしれません。
この点について、平田さんは、「看護師じゃない言い訳を考えている暇があったら、自分の性質を伝えて」と話しています。看護師ではなく一般企業を選ぶ理由は、必然とネガティブなものになりがちです。平田さんによれば、「病棟に入職してみてやっぱり違った」と感じることは、誰にでもあり得ることであり、他の理由と同様に一般企業を希望する立派な理由になるため、正直に伝えて評価が下がる、ということはないと言います。むしろ、看護学生には、その理由付けに多く時間を使っている暇は無いのかもしれません。
では、「自分の性質」を知るためにはどうすればいいのでしょうか。平田さんが教える最短コースは、『社会人に自分のことを話し、フィードバックをもらうこと』だそうです。自己開示して、相手から自分を教えてもらうことで、より早く自分の性質を知ることができます。この場合、社会人とは、自分の両親や兄弟でも構いません。身近な大人に自分を伝え、相手から見た知らない自分を教えてもらいましょう。
自分一人で迷っていても、キャリア選択の時期は着々と近づいてきます。焦って決断して、将来、後悔しないために、今、効果的な一歩を踏み出していきましょう。
登壇者プロフィール
京都大学卒業後、上場企業の人事として8年間採用業務に従事。並行して1000人以上の就活生と個別にキャリア相談に乗って来た。妹は助産師、義弟は理学療法士。弟はお笑い芸人。キャリアにこうあるべきという正解はなく、その人が自分の色を出せる道探しのサポートをしています。
Comments